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まずは「知る事」から始まる

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はじめに:あの熱狂、覚えていますか

選挙戦のさなか、高市総理が放ったひとことを覚えている人は多いはずです。

「飲食料品を消費税の対象から外すことは、私の悲願だ」

このひとことに、野党までもが「うちも同じ考えです」と足並みを揃え、街には「生活が楽になるかもしれない」という空気が広がりました。スーパーのレジで支払う金額が、少しでも軽くなる。そんな小さな希望を、多くの人が抱いたのではないでしょうか。

ところが、自民党が圧勝し、選挙という「山場」が過ぎた瞬間、あれほど熱かった議論はぴたりと止まりました。今、私たちの前に立ちはだかっているのは、「1年半かかるから、今すぐは無理です」という、なんとも腑に落ちない壁です。

今日はこの「1年半の壁」について、少し立ち止まってじっくり考えてみたいと思います。


第1章:「レジ改修に1年半」という主張の中身を覗いてみる

財務省が挙げている理由はシンプルです。

「軽減税率を0%にするには、全国のレジシステムを改修しなければならず、それに約500日、つまり1年半かかる」

さらに議論が進む中では、「そもそも0%への変更自体が難しいのではないか」という、制度の根幹に関わるような後ろ向きな発言まで飛び出しています。

ここで一度、冷静に数字を眺めてみましょう。1年半という期間は、大きなダムや長大な橋を一から作り上げるのに匹敵するほどの時間です。レジという、すでに存在するシステムの「税率を書き換える」という作業に、なぜそこまでの時間が必要なのでしょうか。

実際、百田議員は国会でこう問いただしています。

「500日かかるというなら、何人のエンジニアが、1日8時間、500日間、具体的に何をするのか。その作業工程表を全部出してほしい」

至極まっとうな要求です。しかし財務省側からは、納得のいく工程表も、具体的な内訳も示されていません。「かかると言っているのだから、かかるのだ」という、ある種の水掛け論のような状態が続いているのです。

説明責任を果たさないまま「できない」という結論だけが独り歩きする。これこそが、今回の問題の一番の不気味さだと言えるでしょう。


第2章:インドは1ヶ月でやった。では日本はなぜ1年半なのか

「システムの制約だから仕方ない」という主張に、大きな疑問符を投げかける実例があります。それがインドです。

昨年8月、インド政府はアメリカの関税措置による経済的打撃を和らげるため、日本の消費税に相当する「物品サービス税(GST)」の引き下げに動きました。そして、これをわずか1ヶ月というスピードで実行し、税率を0%まで下げてみせたのです。

これは重く受け止めるべき事実です。日本は「IT先進国」を自任してきたはずです。その日本が、国を挙げても500日かかると主張する作業を、インドはたった30日で成し遂げてしまいました。

国会でも、この対比を突いた指摘がなされています。

「インドが1ヶ月でやったことを、なぜIT先進国であるはずの日本が1年半もかけないとできないのか。どう考えてもおかしい」

もちろん、両国の税制の仕組みやレジシステムの構造には違いがあり、単純比較はできない、という反論もあり得ます。インドのGST引き下げと日本の軽減税率制度の技術的な複雑さが同一とは限りません。その点は公平に見ておく必要があります。

とはいえ、「1ヶ月」と「1年半」という、あまりに大きな差を前にすると、「技術的に不可能だから」という説明だけでは、多くの人が納得しきれないのも事実ではないでしょうか。


第3章:静かになった野党、軽くなった「公約」という言葉

さらに気になるのが、選挙が終わった後の政治全体の「温度差」です。

選挙前は「食料品非課税」に賛同していたはずの主要野党も、選挙が終わってからは、予算委員会などで総理の「悲願」を強く追及する姿があまり見られません。

ある新人議員はこの状況に、率直な疑問を投げかけています。

「選挙公約や『悲願』という言葉は、そんなに軽いものなのか」

当選という目的を果たした途端、「システムが対応できない」「エンジニアが足りない」という官僚側の説明をそのまま受け入れ、追及の手を緩めてしまう。もしそうだとすれば、選挙戦であれほど強く語られた「公約」とは、一体何だったのでしょうか。

もちろん、政治には現実的な調整や優先順位の入れ替えがつきものです。すべての公約を即座に実現できるわけではない、という事情も理解はできます。しかし、「悲願」とまで言い切った政策について、これほど早く議論が静まってしまうことには、やはり違和感が残ります。


第4章:これは「技術の壁」なのか、「意志の壁」なのか

ここまでの事実を並べてみると、次のような構図が見えてきます。

  • レジ改修に1年半かかるという主張には、具体的な根拠が示されていない
  • 海外では同種の税制変更をわずか1ヶ月で実行した実例がある
  • 選挙が終わると、与党も野党も追及の熱量を失っていく

これらをつなぎ合わせると、浮かび上がってくるのは「技術的な限界」というよりも、「政治的な意志の欠如」ではないか、という疑問です。

もちろん、財務省側にも言い分はあるでしょう。日本のレジシステムは中小の小売店から大手チェーンまで極めて多様であり、一律に「1ヶ月でできるはず」と決めつけるのも、また一方的な見方かもしれません。実務上の調整コストや、地方の小規模事業者への影響など、私たちが見えていない事情がある可能性も、公平に考慮すべきでしょう。

それでも、「なぜ1年半なのか」を具体的に説明できない、あるいは説明しようとしない姿勢そのものは、行政と政治への信頼を損なう要因になります。理由を明かさずに「できない」とだけ言われて、素直に納得できる人は少ないはずです。


おわりに:私たちが養うべき「見極める目」

言葉というものは、発した瞬間だけでなく、その後にどう実行されるかによって、初めて本当の価値が決まります。どんなに力強く「悲願」と語られても、実行の道筋が示されなければ、それは単なる耳当たりの良いフレーズで終わってしまいます。

今回の「1年半の壁」を巡る一連の騒動は、日本の行政と政治が、いかに「できない理由」を作り出すことに長けているかを、図らずも浮き彫りにしたのかもしれません。

もちろん、財務省の説明にも一定の理があるかもしれませんし、システム改修には私たちの想像を超える複雑さが潜んでいる可能性もあります。だからこそ私たちに必要なのは、頭ごなしに「嘘だ」と決めつけることでも、逆に官僚の説明を鵜呑みにすることでもなく、「その理由は、具体的に、誰にでも検証できる形で説明されているか」を、冷静に問い続ける姿勢ではないでしょうか。

次に一票を投じるとき、私たちは何を基準に、その政治家や政党を「信用」すべきなのか。

耳に心地よい公約の言葉だけでなく、その言葉がどう形になっていくのかを、これからも注意深く見つめていく必要がありそうです。


上城 孝嗣

日本を愛する人と繋がりたい🇯🇵🌸毎日「気づき」を提供するために発信中! 嘘を教える教育や、メディアに破壊され続けてきた日本人の魂。まずは何事にも好奇心を持ち、世界にも目を向ける事。これまで知らなかった多くの事を学ぶと全てが繋がって真実が見えてきます。 「知らないのは恥ではない、知ろうとしないのが恥である」

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