目次:Contents
あの選挙結果、もう忘れましたか?
衆院選が終わり、開票速報の興奮が落ち着いたころ、霞が関からこんな声が聞こえてきました。「年度内の実施は困難」「準備期間が足りない」――。
いやいや、ちょっと待ってください。
自民党は「食料品の消費税ゼロ」を公約に掲げ、歴代最高レベルの議席を獲得する圧勝を収めたばかりです。国民は明確に「やってほしい」と言ったわけですよね。それなのに選挙が終わった途端、今度は行政側から「難しい」という声が漏れ始める。これって、普通に考えておかしくないですか?
竹田恒泰氏が鋭く突いた「矛盾」
歴史学者の竹田恒泰氏がこの問題について非常に鋭い指摘をしています。
「軽減税率を導入したとき、レジのシステム改修は迅速に行われた。なのになぜ、減税のときだけ『時間がかかる』と言うのか」
これ、言われてみれば本当にその通りなんです。
2019年に消費税が8%から10%に引き上げられた際、食料品などは8%のまま据え置く「軽減税率」が導入されました。あのとき、コンビニやスーパーは複数の税率に対応するためにレジシステムを急ピッチで改修しましたよね。中小の小売店でもなんとか対応した。つまり「税率変更に伴うシステム改修」は、日本全国でかつて実際にやり遂げたことなんです。
では今回、食料品を0%にするのがなぜ「できない」のか。
税率を「8%→0%」に変えるだけなら、技術的には軽減税率導入時とやることはほぼ同じはずです。むしろシステムの複雑さで言えば、複数税率を新たに設けたあのときのほうがよほど大変だったとも言えます。
「できない」ではなく「やりたくない」では?
財務省が「準備に時間がかかる」と言うとき、その言葉の裏にあるのは技術的な問題ではなく、財政への影響を嫌う組織的な意志なのではないかと疑いたくなります。
消費税は財務省にとって「最も安定した財源」です。かつて導入された際も、増税のたびにも、財務省は一貫してその維持・拡大を推し進めてきた。その財務省が、今度は自ら主導して「下げる」方向に動くかというと……やはり組織の本能として抵抗するのは想像に難くないですよね。
でも、考えてほしいのです。行政組織の役割って何でしょうか。国民が選挙を通じて示した意思を「どう実現するか」を考えることであって、「なぜできないか」の理由を探すことではないはずです。
民主主義の本質が問われている
竹田氏はこうも言っています。「財務省がどう思うとか関係ない。これは民主主義の決定だから、やればいいだけ」と。
シンプルですが、本質を突いていると思います。
選挙というのは、莫大なコストと時間をかけた「国民の意思決定プロセス」です。その結果として示された方針を、選挙で選ばれたわけでもない官僚組織が「難しい」の一言で止めることができるなら、私たちの一票はいったい何のためにあるのでしょうか。
もし財務省の「抵抗」が常態化すれば、選挙は単なる儀式になり、この国の実質的な主権者は国民ではなく霞が関になってしまいます。それは民主主義の形骸化そのものです。
「できた」という前例がある以上、やるしかない
軽減税率導入時に全国の事業者がシステムを改修できたという「前例」は、もはや言い訳を封じる強力な証拠です。あのとき「できた」のに、今回「できない」と言うなら、その理由を財務省は国民に対してきちんと説明する義務があります。
「準備が大変」ならば、政府と行政が一丸となって準備すればいい。「財源が心配」ならば、どこを削るかを政治が判断すればいい。それが「国民のために動く行政」の本来の姿のはずです。
消費税ゼロは、もはや一部の人の「夢」ではなく、選挙を通じて国民が下した「決定」です。行政はその決定を粛々と実行に移す――それだけのことを、私たちは求めているんです。
この国の主人公は、霞が関の官僚ではなく、一票を手に持った私たち国民であるはずです。











