カナダで過去数年、140を超える教会が火災や破壊の被害を受けたとされます。同じ期間、モスクの完全焼失は報告されていません。2021年、先住民寄宿学校跡地で「215人の遺骨」と大きく報じられたあと、宗教施設への放火は急増し、2021〜2023年だけで238件。2021年は90件でピークです。逮捕率は約4パーセントにとどまります。
ここで一度、立ち止まります。地中レーダーが捉えたのは土の乱れであり、墓とは限りません。五年経ってもカムループスでは本格的な発掘は終わっておらず、「遺骨215体」が物理的に確認されたわけではありません。それでも教会は燃え続けました。居留地や農村の木造聖堂が、夜中に灰になります。
なぜ教会ばかりが全焼し、モスクは同じようには燃えなかったのか。建物の立地や材質もあります。それ以上に効いているのは、物語の向きです。寄宿学校を運営したのは主にキリスト教会でした。怒りの矢は「加害の象徴」に向かいやすく、別の宗教施設を焼く政治コストは違います。どの火を「事情」と呼び、どの火を「ヘイト」と呼ぶか。その線引きが、検挙の低さとともに残っています。
日本では、寺社が連続して燃える印象がSNSで広がりやすい。しかし消防庁の統計では、神社・寺院等の火災は近年おおむね年間40〜60件で、長期では減っています。主因はしばしばろうそく、配線、人手不足、木造の脆さです。映像は強く、物語は単純です。カナダの五年間と、同じ回路がここにもあります。
未確認の所見が「確定した惨劇」として走り、検証は遅れます。復讐の炎は標的を選び損ねます。続きでは、発掘の現状、238件の内訳、逮捕率、そして日本の寺社火災が本当に語っているものを掘ります。数字のあとに残るのは、どの火を事件と呼ぶかという、私たち自身の線の引き方です。
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— 🌸上城孝嗣 (@taka_peace369) August 27, 2026














