毎年、日本では大量の「古米」や「規格外米」が食用として使えずに廃棄されています。少し古くなったり、形が揃っていなかったりするだけで、本来は立派なお米が行き場を失ってしまう。そんなもったいない現実に、意外な角度から切り込んだ新素材が「ライスレジン」です。
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お米からプラスチックができる、って本当?
ライスレジンとは、食用に適さない古米や規格外の国産米を主原料として作られるバイオマスプラスチックのことです。
従来のプラスチックは「ナフサ」という石油由来の原料をベースに作られています。石油は採掘・輸送のコストがかかるうえ、国際情勢の影響をモロに受けやすいという弱点があります。原油価格が高騰すれば、私たちが日常的に使うプラスチック製品の値段にも跳ね返ってくるわけです。
ライスレジンはそこに一石を投じます。原材料は国内で余っているお米。つまり、原料の調達を完全に国内で完結させることができるんです。海外の政治状況や原油価格に左右されない、安定したサプライチェーンを実現できるのは、国産素材ならではの大きな強みだと言えます。
思ったより身近なところに使われていた
「バイオマスプラスチック」と聞くと、どこか遠い未来の話のように感じるかもしれません。でも、ライスレジンはすでにかなり身近な製品に使われています。
たとえば、こんなものです。
- スプーンやフォークなどのカトラリー
- ゴミ袋や包装フィルム
- おもちゃや雑貨
毎日の生活のなかでごく普通に触れるようなアイテムに、すでにライスレジンが採用されているんです。生産量も年々着実に増えており、技術の成熟とともに適用できる製品の幅もどんどん広がっています。
環境だけじゃない、農業と地域を守る力
ライスレジンが注目される理由は、環境負荷の低減だけにとどまりません。
食用にならなかったお米に新しい「使い道」が生まれることで、農家にとっても売り上げの選択肢が増えます。これまでは廃棄するしかなかった古米や規格外米が、工業用原料として買い取られるようになれば、農家の収入が安定し、地域農業の活性化にもつながります。
後継者不足や収益の不安定さに悩む日本の農業にとって、こういった「新しい需要」の創出は非常に心強い話です。お米を作ることが、食卓を豊かにするだけでなく、プラスチック産業を支えることにもなる——そんな時代が近づいています。
ナフサ依存からの脱却は、思ったより現実的かもしれない
もちろん、現時点ではライスレジンが石油系プラスチックを完全に置き換えるわけではありません。コストや物性の問題など、まだ乗り越えるべき課題もあります。
それでも、石油への依存度を少しずつ下げていくという流れのなかで、国産の再生可能資源から作られるバイオマスプラスチックへの期待は年々高まっています。SDGsへの関心が社会全体に広がるなかで、企業や自治体がライスレジン製品を積極的に採用する動きも出てきています。
「捨てるもの」を「価値あるもの」へ
ライスレジンのストーリーで一番面白いのは、「捨てられていたもの」が「次世代素材の原料」に変わるというところだと思います。
余ったお米が、地球環境にやさしいプラスチックになる。農家の廃棄物が、工業原料として評価される。こういった発想の転換こそが、これからの持続可能な社会を作っていくうえで必要なことなんじゃないかと感じます。
冷蔵庫の奥で眠っていた古いお米も、もしかしたらいつかプラスチックとして新しい命を宿すかもしれません。そう考えると、日本の田んぼの風景が少し違って見えてきませんか?
捨てられていたお米が「未来の素材」になる!… pic.twitter.com/WQ9cBFO8Sa
— 🌸上城孝嗣 (@taka_peace369) May 25, 2026













