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言葉を失った民族に、未来はあるのか?

「サステナブル」って、あなたはちゃんと意味が分かりますか?

街中でも、テレビでも、会議室でも、当たり前のように飛び交うこの言葉。でも冷静に考えてみると、これって英語ですよね。日本語じゃないですよね。

映画字幕翻訳の第一人者、戸田奈津子さんは、この「サステナブル問題」に思いっきり怒っています。「なんであれをカタカナでサステナブルっていうの?英語がわかる人がそんなにいるんですか?」と。

「長続きする」でも「持続する」でも「継続させる」でも——日本語には、いくらでも言い換えられる美しい言葉があるのに、です。


「言語は国民のアイデンティティ」という本質

戸田さんが言い切ります。「言語ってその国民のアイデンティティでしょ。そんなに粗末に扱っちゃいけませんよ。」

これ、すごく本質をついた言葉だと思うんです。

言語というのは、単なるコミュニケーションツールではない。その民族の歴史、思想、感性、文化——そのすべてが凝縮されたものが言語です。日本語が乱れるということは、日本人としての感覚や思考の根っこが、少しずつ侵食されていくことを意味するんです。

そう考えると、「言葉の乱れ」なんて軽い話じゃなくなってきます。


ちょっと怖い話——これって「意図的」じゃないの?

ここからは少し踏み込んだ視点で考えてみましょう。

グローバル化の名の下に、英語・カタカナ語が猛烈な勢いで日本語に流入しているのは事実です。「イノベーション」「アジェンダ」「コンプライアンス」「サステナブル」……。これらは本当に必要だったのでしょうか、それとも意図的に「日本語では考えにくい概念」を輸入することで、日本人の思考回路を書き換えようとしているのでしょうか。

陰謀論と言われれば確かにそうかもしれないです。でも、言語が思考を規定するという「言語相対性仮説(サピア=ウォーフ仮説)」は、言語学の世界では広く議論されている考え方です。ある言葉がなければ、人はその概念自体を思考しにくくなる——つまり、外来語だらけの言語空間に置かれると、日本人独自の繊細な感性や表現が、じわじわと失われていく可能性があるんです。

「美しい日本語があるのに使わない」という現状は、単なる怠慢ではなく、もしかしたらもっと構造的な問題を含んでいるかもしれないのです。


SNSとLINEが「語彙力」を奪っている

戸田さんとの対談の中で、もう一つ印象的な話題が出てきました。大学生とのLINEでのやり取りについてです。

「かしこまりました」の一言をポンと送ってくる学生たち。短い文字数の中にすべてを収めようとするSNS文化が、ちゃんとした文章を書く機会を奪っているという指摘です。

LINEやTwitter(現X)の文字数制限は、確かに「簡潔さ」を育てる面もあります。でも同時に、複雑な感情や論理的な思考を言語化する訓練の場を消滅させているとも言えるんです。

語彙が減る→表現できる感情・思考が減る→人間関係が単純化・貧困化する——この連鎖は、決して大げさではありません。


漢字の力、そして「字幕」というメディアの凄み

戸田さんは字幕の仕事の中で、若い映画会社のスタッフから「難しい漢字を使わないでほしい、読めないから」と言われることがあるそうです。でも戸田さんは戦いますと言い切ります。

漢字は、見ただけで意味が伝わる視覚言語としての力を持っています。日本語の表記体系——ひらがな・カタカナ・漢字が共存するこの複雑さは、実は世界でも類を見ない豊かなシステムなんです。それを「読めないから」という理由で削っていくのは、日本語の持つ情報密度と美しさを自ら捨てているようなものだと思うんです。


結局、どうすればいいのか

戸田さんの答えはシンプルです。「教育」と「家庭」、そして「好きという気持ち」です。

小さい頃から本を読んでもらうこと、敬語の使い方をちゃんと教えること、そして何より日本語を「好きだ」と感じる体験を積み重ねること——それが言語を守ることに繋がるんです。

好きなものは消えてほしくないから大切にする。それは地球環境に対する姿勢とまったく同じで、「サステナブル」という言葉を使わなくても、日本語でちゃんと言えることなんです。

言語の危機は静かに、でも確実に進んでいます。まずは「日本語って面白いな、美しいな」と感じるところから、始めてみてはどうでしょうか。


この記事は戸田奈津子さんへのインタビュー音声をもとに構成しています。

上城 孝嗣

日本を愛する人と繋がりたい🇯🇵🌸毎日「気づき」を提供するために発信中! 嘘を教える教育や、メディアに破壊され続けてきた日本人の魂。まずは何事にも好奇心を持ち、世界にも目を向ける事。これまで知らなかった多くの事を学ぶと全てが繋がって真実が見えてきます。 「知らないのは恥ではない、知ろうとしないのが恥である」

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