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45日間の地獄と、防げたはずの刃
令和4年4月、一人の女子高生が見知らぬペルー人男性に誘拐・監禁されました。自由を奪われ、恐怖の中で過ごした45日間。その絶望の深さは、想像するだけで息が詰まります。
しかし、この事件にはもう一つの「恐怖」が隠されていました。
男は逮捕されたものの、なぜか「不起訴処分」で釈放されています。そして1年も経たないうちに、今度は殺人未遂事件を引き起こしています。被害者が変わっただけで、「同じ男」が「同じ社会」で再び刃を振るったわけです。
国会でこの一連の事実を追及したのが、北村晴男議員でした。「誘拐監禁事件を起こした段階で国外退去させていれば、殺人未遂事件は起きなかったと考えられます」――この言葉の重さを、私たちはどれだけ真剣に受け止めているでしょうか。
「ファジー」という言葉に隠された責任逃れの構造
北村議員の追及に対する入管庁の答弁が、あまりにも衝撃的でした。
在留更新を不許可とする基準となる「不良行為」の定義について、当局は自ら「若干ファジーな概念」と表現しています。つまり、「凶悪な犯罪があっても、即座に強制退去が適当とは言えないケースがある」という立場を崩さないわけです。
これを聞いて、あなたはどう感じますか?
誘拐・監禁という重大犯罪を犯した人物が、「手続き上の問題がない」という理由でそのまま在留を続けられる。この論理が通るなら、次の在留審査までの間に何が起きても、それは「制度の範囲内」ということになってしまいます。
ここで少し立ち止まって、「陰謀論的」と言われることを覚悟で問いかけてみます。
果たして、この「曖昧さ」は本当に単純な制度の不備なのでしょうか。それとも、意図的に「グレーゾーン」を維持することで、特定の利害関係者が便益を受ける構造が存在するのでしょうか。
移民・難民問題は、国際的なNGOや人権団体、そして特定の政治勢力が強い影響力を持つ領域です。強制退去の判断を厳格化すれば、これらの勢力から猛烈な批判が飛んでくることは容易に想像できます。役人が「慎重に判断する」という姿勢を崩さない背景には、組織防衛と政治的圧力への忖度が混在している可能性は十分に考えられます。
「使命感の欠如」という断罪が意味するもの
北村議員は、入管庁の姿勢についてこう断じています。「法務省・入管庁は日本の治安を守るという使命感を著しく欠いているのではないかという風に考えざるを得ません」
これは、単なる組織批判を超えた、非常に深刻な指摘です。
国家機関が「国民の安全」よりも「手続きの適正さ」を優先するとき、何が起きているのでしょうか。それは、責任の所在を曖昧にするための「官僚的防衛本能」が働いているとも読み取れます。万が一、強制退去の判断を下して「人権侵害だ」と批判されるリスクより、判断を先延ばしにして何かが起きたとしても「手続きは正しかった」と言い訳できる方が、組織としては「安全」なわけです。
被害者の血で支払われる代償を、役所の会議室で「手続き上の問題なし」と処理する。この倒錯した構造こそが、北村議員が「使命感の欠如」と表現したものの正体ではないでしょうか。
国際的圧力と「見えない綱引き」
さらに深掘りすると、日本の入管行政は国際的な文脈でも複雑な綱引きの中にあります。
近年、国連の人権機関や各国のNGOは、日本の入管制度に対して厳しい目を向け続けています。「長期収容の問題」「仮放免中の管理の甘さ」「強制退去の要件の厳格化」――これらの改革議論が浮上するたびに、強い反発と批判の圧力が国際社会から加わります。
もちろん、人権保護の観点から制度を見直すことは重要です。ただし、「人権」という言葉が、犯罪歴のある外国人の在留継続を正当化する「呪文」として機能しているとすれば、それは本末転倒です。守られるべき人権は、日本国内で平穏に暮らす市民の側にもあるはずです。
凶悪犯罪を犯した人物を「人権上の配慮」から国内に留め置き、その結果として別の市民が命の危険にさらされる。この構造を「国際基準に沿った対応」と呼ぶことに、違和感を覚えない人はいないはずです。
「次の被害者」はあなたかもしれません
今回の事件と国会での議論が示したのは、日本の安全神話の「綻び」ではなく、その綻びが「意図的に放置されてきた可能性」です。
制度の曖昧さ、責任の分散、国際的圧力への過剰な忖度、そして使命感を失った組織文化。これらが複合的に絡み合うとき、防げたはずの犯罪が「仕方のないこと」として処理されていきます。
北村議員が問うているのは、私たちが「安全」を当然の権利として享受するために、国家に何を要求し、何を許さないのかという、逃げ場のない問いです。
手続きは適正だった。個別の事情があった。慎重な判断が必要だった。
――次にその刃があなたや、あなたの大切な人に向けられたとき、その言葉で納得できますか?
「制度の限界」という言葉の裏側に、誰かの命が埋もれていないか。私たちは今こそ、その問いから目を背けるのをやめるべきではないでしょうか。
参考:衆議院法務委員会における北村晴男議員の質疑より構成
入管が犯罪者を野放しにする”不都合な構造”と、誰も語りたがらない闇。令和4年4月、一人の女子高生が見知らぬペルー人男性に誘拐・監禁されました。自由を奪われ、恐怖の中で過ごした45日間。その絶望の深さは、想像するだけで息が詰まります。… pic.twitter.com/aOJItmINPS
— 🌸上城孝嗣 (@taka_peace369) May 29, 2026













