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フォン・デア・ライエンへの怒りが爆発している
2024年から2026年にかけて、ヨーロッパ全土で前例のない規模の農民デモが巻き起こっています。フランス、スペイン、イタリア、ベルギー、ポーランド……国境を越えて広がる怒りの声は、一つの名前に向けられています。それが欧州委員会委員長、ウルズラ・フォン・デア・ライエンです。
農家たちはトラクターで幹線道路を封鎖し、「フォン・デア・ライエン、やめろ!」と叫びながら行進しています。表向きの主な不満は、EUが推し進める「Farm to Fork(農場から食卓へ)」戦略と、過度な環境規制による農業コストの急騰です。化学肥料・農薬の使用規制、農地の一定割合を「自然のために休耕させる義務化」、そして輸入農産物との価格競争——これらが重なり合い、欧州の農家は経営の限界に追い詰められているのです。
しかし、この運動が単なる「農業政策への不満」で終わっていないところに、現代的な重要性があります。
「環境保護」という名の農業解体計画?
ここで少し深掘りしてみましょう。
EUが掲げる「グリーンディール」や「Farm to Fork」は、確かに美しい目標を謳っています。2030年までに農薬使用量を50%削減、化学肥料を20%削減、農地の25%をオーガニック農業に転換……。言葉だけ聞けば誰も反対できません。
しかし陰謀論的視点——とまでは言わないものの、批判的に見れば——こうした政策が「誰の利益になるのか」という問いは避けられないでしょう。
小規模農家が規制に耐えられずに廃業すれば、農地は誰の手に渡るのか。世界経済フォーラム(WEF)が「2030年までに食料システムを変革する」と宣言し、ビル・ゲイツ財団が米国最大の農地オーナーになっている現実は、偶然の一致と言えるのでしょうか。「昆虫食や代替タンパク質への移行」を推奨するレポートが大手シンクタンクから次々と出てくる中、農家の廃業が食料供給の「集中化」と「管理化」につながる可能性は、決して荒唐無稽な話ではありません。
農家たちは肌感覚で「これはおかしい」と感じているのです。
EU解体を叫ぶ声——ナショナリズムの復活か、正当な抵抗か
注目すべきは、今回のデモが単なる農業問題を超えて、EUそのものへの根本的な疑義へと発展していることです。
「ブリュッセルの官僚たちは農業の現場を知らない」「主権を返せ」「国民国家を守れ」——こうしたスローガンが飛び交い、各国の右派ポピュリスト政党がこの波に乗る形で支持を拡大しています。ポーランドやハンガリーでは政府レベルの反EU姿勢と農民デモが連動し始め、欧州統合の根幹を揺るがしかねない事態となっています。
これを「陰謀論者や過激派の扇動」として片付けることは簡単です。しかし農家という、社会の根幹を支える職業の人々が、命がけで土を耕しながら「もう限界だ」と声を上げている現実を、私たちは正面から受け止める必要があるでしょう。
日本も対岸の火事ではない
ヨーロッパの農業危機は、遠い国の話ではありません。
日本の食料自給率はカロリーベースで約38%(2023年度)と先進国の中でも異常に低い水準にあります。米農家の高齢化と後継者不足は深刻で、水田の減少は止まりません。そこへTPP・EPAによる市場開放、輸入農産物との価格競争が追い討ちをかけています。
もし欧州のような「グローバルな農業再編」の波が日本にも本格的に押し寄せたとき、すでに弱体化した日本の農業基盤は、それに耐えられるでしょうか。食料を他国に依存する国は、有事の際に真っ先に脅かされます。これは安全保障の問題でもあるのです。
私たちに何ができるか
欧州の農家たちの叫びは、私たちへの警鐘でもあります。
地元の農産物を積極的に買う。農家を直接支援する取り組みに参加する。政治家が「食料安全保障」をどう考えているかを問い続ける——小さな行動の積み重ねが、国民の命を守る農業を存続させる力になります。
グローバリズムの流れに抵抗することは、孤立主義ではありません。自国の食を守り、文化を守り、人々の命を守ることです。EU各地の農家たちが身をもって示しているように、「おかしい」と感じたら声を上げることが、民主主義の本質なのだと思います。
参考:欧州農民デモ関連報道(2024〜2025年)・FAO食料安全保障統計・農林水産省「食料自給率レポート2023」
EU各地から集結「フォン・デア・ライエン、やめろ!」グローバリストによる農業政策に反対するデモが広がり、EU解体を叫ぶ展開に!
フランスやスペインからイタリア、ベルギー、ポーランドまで——ヨーロッパ全土でEUに対する声が高まり、その解体を求めています。… pic.twitter.com/aG0ZyiCmR8
— 🌸上城孝嗣 (@taka_peace369) April 3, 2026











