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まずは「知る事」から始まる

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「税金は上がる。保険料も上がる。でも給料だけは上がらない」

そんなため息を、この数年で何度ついたでしょうか。物価高で牛丼一杯にも財布のひもが固くなる一方で、あるニュースが目に留まりました。

国会議員の平均所得、3,003万円。前年から490万円増。

一般の会社員の平均給与は478万円(国税庁・令和6年分民間給与実態統計調査)です。単純計算で、その差はおよそ6.3倍。しかもこれは「増えた」というニュースです。私たちの給料が増えたという話は、いったいいつ聞いたでしょうか。

この記事では、この数字の「中身」を一つひとつ剥がしながら、批判的な視点と、ちょっと意地悪な「陰謀論的な想像」も交えつつ、日本の政治とお金の関係について一緒に考えてみたいと思います。結論を押し付けるつもりはありません。読み終えたときに、あなた自身の中に「気づき」が一つでも生まれれば、それで十分だと思っています。

まず数字を疑うところから始めましょう

ニュースで踊る「3,003万円」という数字。これは衆参両院が公開している資産公開の「所得」データで、2025年に在職していた国会議員471人の平均所得です。

ただし、ここには一つ大きな注意点があります。このランキングでトップに立ったのは、自民党のある衆議院議員で、所得はなんと11億4,015万円。これは株式の売却益や配当金が大半を占めており、4年連続のトップだそうです。

つまり「平均3,003万円」という数字は、一部の資産家議員の巨額の株式収入が平均値を大きく押し上げている可能性がある、ということです。平均値というのはこういう「外れ値」に弱い指標です。年収の話をするときによく「平均年収より中央値のほうが実態に近い」と言われるのは、まさにこの理由からです。

とはいえ、ここで「だから議員報酬は高くない」と結論づけるのも早計です。なぜなら、株式収入を除いた「純粋な議員としての報酬」だけを見ても、十分に高い水準にあるからです。

「歳費」という名の給料の正体

国会議員には「給料」という言葉は使われません。「歳費(さいひ)」と呼ばれます。日本国憲法第49条に「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける」と明記されており、これに基づいて「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」(歳費法)で具体的な金額が決まっています。

2025年現在、歳費は月額129万4,000円。これに年2回の期末手当(ボーナスのようなもの、年間約638万円)を加えると、年間の法定報酬は約2,191万円になります。これだけでも、一般会社員の平均給与478万円の約4.6倍です。

しかも、ここで終わりではありません。国会議員には、この歳費とは別に、次のようなお金が国費から支給されています。

  • 調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費、通称「文通費」):月額100万円、非課税で年間1,200万円
  • 立法事務費:所属議員一人あたり月額65万円、年間780万円(会派経由)
  • 秘書給与:政策秘書・第1秘書・第2秘書の3人分の給与、公費で年間1,800万円以上
  • 公用車、議員会館の部屋、JRパス(新幹線含む無料乗車)、航空券の割引など

これらを単純に足し合わせると、一人の議員に投じられる国費は年間6,000万円近くになるという試算もあります。もちろんこの中には秘書給与など「議員個人の懐に入るわけではない経費」も含まれますが、逆に言えば、それだけ「議員という存在」を維持するために私たちの税金が動いているということです。

特に「文通費」は長年、使途報告も返還義務もない「第二の給与」として批判されてきました。2022年に日割り支給が可能になり、2024年にようやく使途公開と国庫返納が義務化されましたが、それまで何十年もの間、月100万円が「もらいっぱなし」だった時代があったことは、覚えておいてよい事実だと思います。

世界と比べてみると見えてくること

ここで、冒頭に挙げた国際比較のデータを振り返ってみましょう。各国の議員報酬を、その国の平均年収と比較した「倍率」です(公開情報をもとにした概算値であり、算出方法や為替レート、対象年度によって数字は変動しうる点はご留意ください)。

  • 日本 約6.4倍 約3,014万円
  • アメリカ 約2.4倍 約1,800万円
  • ドイツ 約2.1倍 約1,000万円
  • イギリス 約2.0倍 約980万円
  • フランス 約1.8倍 約860万円
  • イタリア 約1.7倍 約810万円
  • カナダ 約1.6倍 約760万円

金額の絶対値だけ見ると、日本の議員報酬はアメリカよりむしろ低いくらいです。しかし「その国の平均的な国民の暮らしと比べて、どれだけかけ離れているか」という倍率で見ると、日本が突出して高いことがわかります。

これはとても示唆的です。議員報酬そのものの金額の多寡ではなく、「自国民の生活水準との距離」にこそ、政治への信頼を左右する本質があるのではないでしょうか。雇い主である国民の暮らしが厳しくなっているのに、雇われているはずの代表だけが優雅になっていく。この「距離の拡大」こそが、多くの人が感じるモヤモヤの正体なのだと思います。

なぜこんな構造になったのか——批判的に考えてみる

ここで一つ、素朴な疑問が浮かびます。

「議員の給料を決めているのは、誰なのか?」

答えは、議員自身です。歳費法という「法律」で決まっているということは、それを改正するのも国会、つまり議員たちの多数決だということです。自分の給料を、自分たちで決める。こんな仕組みが許されている職業は、他にほとんどありません。

しかも国会法第35条には「一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける」と定められています。つまり最初から「公務員のトップより下回ってはいけない」という下駄が履かされた設計になっているのです。これは「議員の職務の重要性」を根拠にした規定ですが、裏を返せば「絶対に下がらない仕組み」を自分たちで作った、とも言えます。

さらに興味深いのは、2025年12月に成立した改正歳費法です。当初は歳費月額を5万円引き上げる案が検討されていましたが、世論の反発を受けて本則ではなく「附則の努力規定」にとどまり、期末手当は現行水準に据え置かれました。つまり「本当は上げたかったが、批判が強くて渋々見送った」というのが実情に近いのかもしれません。

ここから、少し意地悪な想像——いわゆる「陰謀論的な視点」も加えてみましょう。

もし仮に、政治家という職業が「国民のために身を削って奉仕する仕事」ではなく、「一度当選すれば高収入と手厚い待遇が半永久的に保証される、極めて“おいしい”ポジション」だとしたら。既得権を持つ側が、増税や社会保険料の引き上げには積極的でありながら、自分たちの待遇には手をつけたがらないのだとしたら。それは「国民のための政治」ではなく、「政治家という職業を守るための政治」になってはいないでしょうか。

もちろん、これはあくまで一つの「見方」であり、断定できる話ではありません。しかし、逮捕・起訴・勾留されても歳費の支給が止まらないという憲法解釈上の扱いや、政治資金の使途をめぐる問題が繰り返し報じられてきた経緯を見ると、「疑ってみる」こと自体は決して不健全な態度ではないはずです。

一方で、忘れてはいけない「反対側の視点」

ここまで批判的な視点を重ねてきましたが、フェアであるために、逆の立場からの意見も紹介しておきます。

一つは「優秀な人材を政治の世界に引き寄せるためには、ある程度の報酬が必要」という考え方です。もし議員報酬が極端に低ければ、経済的に余裕のある人しか政治家になれなくなり、かえって多様な人材が排除されるという懸念もあります。

もう一つは「報酬が低いことが、汚職や利権への依存を招く」という論点です。実際、報酬が低い国・地域では、政治家が別のルート(企業からの便宜供与など)で生活を支えるようになり、結果的に癒着が強まった例も歴史的に指摘されています。高すぎる報酬には問題がある一方で、「安ければ安いほど健全」というのも単純化しすぎかもしれません。

また、国際比較についても注意が必要です。国によって議員の定数、地方議員との役割分担、税制、物価水準、さらには「政治資金をどこまで公費でまかなうか」の設計が大きく異なります。単純な倍率比較だけで「日本は6.4倍だから異常」と断じるのは、やや乱暴な議論になりかねません。数字は議論の出発点であって、結論そのものではないのです。

それでも、問い続ける価値はある

とはいえ、こうした「反論の余地」があるからといって、疑問を持つこと自体をやめる必要はありません。

私たちが本当に考えるべきなのは、「議員報酬が高いか安いか」という数字の善し悪しそのものよりも、「その金額と使い道が、どれだけ透明に、どれだけ納得できる形で決められているか」ではないでしょうか。

文通費が何十年も「もらいっぱなし」で放置されてきたこと。自分たちの給料を自分たちで決める構造そのものにチェック機能が働きにくいこと。そして何より、増税や社会保険料の負担増が続く一方で、こうした「見えない報酬」の全体像が国民にきちんと共有されてこなかったこと。ここにこそ、私たちが目を向けるべき本質があるように思います。

あなたはこのニュースを見て、何を感じたでしょうか。

「政治家だから当然だ」と思うのか。「これはさすがにおかしい」と思うのか。あるいは「そもそも数字の中身をちゃんと知らなかった」と気づいたのか。

正解は一つではありません。ただ、知らないまま「なんとなく怒る」のと、中身を知ったうえで「これは変えるべきだ」と思うのとでは、その先の行動がまったく違うものになるはずです。次に選挙の投票用紙を手にしたとき、この記事で見た数字のどれか一つでも、頭の片隅に残っていたら幸いです。

【皆さんへのお願い】自分が知ってよかったと思えた情報は、大切な知り合いの方だけにでも教えてあげてください。「分かち合い」「支え合う」という姿勢がどんどん失われつつあります。

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本記事で紹介した数字は、各種報道・公開情報をもとにした概算であり、年度や算出方法によって変動する可能性があります。海外の議員報酬についても、対象範囲や為替レートにより数字が異なる場合がある点、ご留意ください。

上城 孝嗣

日本を愛する人と繋がりたい🇯🇵🌸毎日「気づき」を提供するために発信中! 嘘を教える教育や、メディアに破壊され続けてきた日本人の魂。まずは何事にも好奇心を持ち、世界にも目を向ける事。これまで知らなかった多くの事を学ぶと全てが繋がって真実が見えてきます。 「知らないのは恥ではない、知ろうとしないのが恥である」

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