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まずは「知る事」から始まる

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はじめに:あの一言が、日本の何かを壊した

覚えていますか?

あの、テレビ画面越しに放たれた言葉を。

「1位じゃなきゃダメなんですか、2位じゃダメなんですか?

2009年。事業仕分けという名の”予算削減ショー”が国会の議事堂を舞台に繰り広げられ、日本中がその光景を固唾を飲んで見守っていました。あの瞬間、多くの人が「そうだ、無駄遣いを削れ」と溜飲を下げたかもしれません。

でも今、冷静に振り返ってみてください。

あの”効率化”という美しい大義名分の下で、日本は一体何を切り捨てたのでしょうか?

20年という歳月は残酷なほど正直で、私たちに答えを突きつけています。そして今、財務大臣に就任した片山さつき氏が語るビジョンを聞きながら、私はある種の「戦慄」と、かすかな「希望」を同時に感じています。


第一章:日本が”失速”した、その裏で笑っていた国

まず、多くの人が知らない「衝撃の事実」から話を始めましょう。

当時の国会で、片山さつき氏は仕分け担当大臣だった蓮舫氏に、こんな鋭い問いを突きつけました。

「日本のスパコン予算がカットされ、完成が遅らされたちょうどその裏で、スパコンランキングの1位と3位に躍り出た国があります。その国名を正確に教えてください」

蓮舫氏の答えは——。

「通告をいただいていないので分かりません」「存じ上げません」。

担当大臣が、自分の下した決断が何をもたらしたかを、知らなかった・・・??

・・・いや、工作員だとしたら狙い通りの成果です!

その国の名は、「中華人民共和国」

それまでスパコンの世界ランキングにすら登場していなかった中国が、日本が内向きの議論に明け暮れているまさにその間に、静かに、しかし確実に牙を研いでいたのです。

ここで少し、立ち止まって考えてみてほしいのです。

これは本当に「偶然」だったのでしょうか?

日本が予算を削り、世界最高峰の計算機開発を遅延させたタイミングで、地政学的なライバルが台頭する——。陰謀論と笑い飛ばすのは簡単です。でも、あまりにもタイミングが良すぎると思いませんか?

情報戦・技術覇権争いが熾烈を極める現代において、他国の技術投資を「内側から減速させる」こと、あるいはその機運を醸成することが、いかに強力な戦略となり得るか。少なくとも、私たちはその可能性を視野に入れながら歴史を読む必要があると思います。


第二章:「1番」でなければならない、本当の理由

「でも、2位でも十分じゃないの?」

そう思う方も、まだいるかもしれません。では、片山氏の言葉を聞いてみてください。

「1番のずば抜けたものじゃなきゃ誘致できないんですよ。これは神戸のポートアイランドにKという名前で設置して、それを使うために周りに企業が来るんですよ。1台2台売るんじゃないんです」

スパコン「京(けい)」が設置された神戸・ポートアイランド。そこには阪神・淡路大震災で深く傷ついた街が、未来に向けて復興するための「命綱」という意味が込められていました。

世界一の技術という「核」があるからこそ、周辺に高度な企業が集積し、人が集まり、新しい経済圏が生まれます。そしてその技術そのものが「輸出品」となり、国家の産業を支える柱になります。

2位でいい、という妥協は、その夢ごと切り捨てる決断だったのです。

ここにも、ある種の「構造的な問い」が浮かび上がってきます。

なぜ、よりによって「震災復興の象徴」でもあったプロジェクトの予算が仕分けのターゲットになったのか。技術立国・日本の根幹を揺るがすこの判断を、誰が、どのような背景で推し進めたのか。「効率化」という言葉は、時に非常に便利な煙幕になります。


第三章:「財務省=敵」という空気の正体

SNSを少し見れば、すぐに目に飛び込んでくる言葉があります。

財務真理教」。

財務省の庁舎周辺でデモが起きるほど、国民の不信感は今や臨界点に近づいています。長年にわたるデフレ放置、消費税増税の繰り返し、緊縮財政への固執——。「国民の生活よりも財政規律を優先する組織」というイメージは、もはや一部の人々の感情論ではなく、データに裏打ちされた批判として定着しつつあります。

そこに、20年ぶりに財務省に「出戻り」した片山さつき大臣が登場しました。

旧大蔵省で23年間、不良債権処理という修羅場を生き抜いてきた彼女が、高市総理から受けたのは「経済成長戦略」「責任ある積極財政」を含む10項目の具体的指示でした。

彼女は語ります——「成長する日本を将来に残すこと」が究極の目的であり、「マインドセットの変革」が必要だと。

これは本当に「変化の予兆」なのでしょうか。それとも、変わらない組織が「変わった振り」をするための巧みな演出なのでしょうか。

私たちは、その目で見極める必要があります。


第四章:「借金は悪」という呪縛を解く——ドーマーの定義とは何か

片山氏が打ち出したキーワードがあります。「ドーマーの定義」です。

これは少し難しい話になりますが、非常に重要なので、かみ砕いて説明します。

従来の財政論では「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化」——つまり、借金をゼロに近づけることが至上命題とされてきました。これが長年、日本の積極的な財政出動を縛り続けてきた「呪いの言葉」でした。

しかし片山氏の視点は違います。

「名目GDP成長率が国債金利を上回っているならば、借金の対GDP比は自然に下がっていく」

現在、日本の名目GDP成長率は約4%弱。対して国債金利は約1.65%(取材時点)。

成長率が金利を上回っているということは、今こそ未来に投資すべき局面だということです。

もちろん、これは「何でもかんでもバラまいていい」という話ではありません。デジタル活用やEBPM(証拠に基づく政策立案)で効果を可視化し、きちんと投資対効果を測りながら使っていくという、ロジカルな裏付けがあってのことです。

でも、ここで冷静に問いたいのです。

この「常識の転換」が、なぜ今まで表に出てこなかったのか、と。

経済学の教科書には20年以上前から載っていた話が、なぜ日本の財政運営に反映されなかったのでしょうか? それは本当に「知らなかった」からなのか。それとも、緊縮財政によって最も利益を享受するプレイヤーが、どこかに存在しているからではないのか——。

そう疑問を持つことは、けっして「陰謀論」ではなく、民主主義社会における健全な懐疑心だと私は思います。


第五章:技術・人材・信頼——一度失えば、二度と戻らないもの

ここで、少し視野を広げてみましょう。

スパコン予算の削減は、単なる「計算機の話」では終わりませんでした。研究者が海外へ流出し、大学の研究室は予算不足で疲弊し、若者が「研究者になっても将来がない」と理系離れを加速させていきました。

一度途絶えた研究の系譜を取り戻すには、削った予算の何十倍、何百倍もの時間とコストが必要です。

これはスパコンだけの話ではありません。半導体、量子コンピューター、宇宙開発、AI——。気づけば日本は、かつて「技術立国」と胸を張っていた分野の多くで、世界の先頭集団から脱落しています。

そして最も深刻なのは「人材という資産の流出」です。

頭脳は、予算が戻れば自動的に戻ってきません。人生をかけて研究に打ち込もうとした人々が、一度日本に見切りをつけてシリコンバレーやシンガポールや上海に根を下ろしたなら、その知識と経験と人脈は、もう日本のものではないのです。

私たちは今、その代償を払い続けています。


おわりに:「見極めるリテラシー」を持て

20年前の「2位じゃダメですか?」という言葉に、多くの国民は拍手を送りました。

でも今こそ、問い返す時です。

あの拍手は、誰の利益になったのでしょうか?

片山さつき大臣が語る「責任ある積極財政」「未来への投資」というビジョンは、確かに希望の光を感じさせます。でも同時に、私たちは歴史から学ぶべきです——「美しいスローガン」ほど、慎重に中身を見なければならないということを。

大切なのは、以下の問いを持ち続けることです。

  • その政策は、本当に誰の利益になるのか?
  • 「効率化」という言葉の裏に、何が隠れているのか?
  • 失われた技術・人材・信頼の回復に、具体的な計画があるのか?
  • 財政規律の「語り方の変化」は、本物の転換か、それとも言葉だけの衣替えか?

政治とは、私たちの未来を預ける行為です。表面的なパフォーマンスに惑わされず、その奥にある「構造」と「利益の流れ」を読み解くリテラシーを、今こそ私たち一人ひとりが持つべき時だと思います。

20年の時を経て、日本は再び「未来を設計する覚悟」を問われています。

その問いに答えるのは、政治家でも官僚でもなく——私たち自身です。


上城 孝嗣

日本を愛する人と繋がりたい🇯🇵🌸毎日「気づき」を提供するために発信中! 嘘を教える教育や、メディアに破壊され続けてきた日本人の魂。まずは何事にも好奇心を持ち、世界にも目を向ける事。これまで知らなかった多くの事を学ぶと全てが繋がって真実が見えてきます。 「知らないのは恥ではない、知ろうとしないのが恥である」

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