そもそも「通名」ってどこから来たの?
在日韓国・朝鮮人の方が日本名を名乗る「通名(つうめい)」という制度、名前は聞いたことがあっても、なぜ存在するのかまで知っている人は意外と少ないです。
その起源は日本統治時代に遡ります。当時の朝鮮には、日本の「苗字」にあたる概念がなかったんです。「氏(せい)」という一族を表すものはありましたが、個人を識別する苗字としての「氏(し)」はなかった。
たとえば現代の韓国でも、金(キム)さんが人口の約22%、李(イ)さんが15%、朴(パク)さんが約9%と、上位5姓だけで人口の半分を占めてしまいます。教室に50人いたら、金さんだけで10人いることになる。これでは近代的な社会運営ができないということで、日本統治下で「創氏」、つまり苗字を作ることが義務化されたんです。
その流れで、金さんが「金田」という苗字を作ったり、名前を「太郎」のように日本式にする「改名」も任意で行われました。これが通名の歴史的な出発点です。
戦後、200万人のうち60万人が残った
1945年の終戦時、日本には約200万人の朝鮮人がいたとされています。そのうち約140万人が帰国しましたが、残り60万人がそのまま日本に定住しました。これが現在の特別永住者のルーツです。
彼らはすでに創氏改名を経て日本式の名前を持っていたわけで、通名の使用はその延長線上にある、ある意味で「公的な経緯」があるものだったんです。
問題は「悪用」だった
通名そのものに問題があるわけではないんです。ただ、かつては一人が複数の通名を持てる状態だったことで、様々な悪用が起きてしまいました。
具体的な事例として挙げられているのが、2000年に在日韓国人が異なる名前の保険証を30枚取得して携帯電話を購入・転売していた事件や、2013年に通名を6つ使い分けて160台のスマートフォンを詐取・転売した事件です。
さらに手口として紹介されているのが、友人宅から別の通名宛てにハガキを送ってもらい、それを持って役所に行って「この名前でも郵便が届く」と証明して保険証を発行させる方法です。その保険証で銀行口座を作り、これを繰り返すことで一人が5〜6つの銀行口座を作れてしまっていたというんです。
これが脱税や生活保護の不正受給にも使われたケースがあり、「生活保護を受けながら実はポルシェに乗っていた」という事例まで出てきているとのことです。
犯罪捜査の現場では大きな支障に
元警察官の視点から見ると、通名が複数存在すると犯罪捜査に大きな支障が出るとのことです。「この通名の人物が誰なのか」を特定できず、転売が繰り返されると「誰がどの携帯を持っているのか」が完全に分からなくなってしまうんです。
また、政治的な問題として、通名のまま政治献金が行われると、献金者の国籍が不透明になるという指摘もあります。マスコミが通名で報道することで、外国籍の人物による犯罪が「日本人の犯罪」として世界に発信されてしまうケースも問題視されています。
今後どうすればいい?
現在は制度が改善され、公的証明書には本名を必ず記載し、通名を併記する形になっています。また通名の数も原則1つに制限されています。
提案されている解決策の一つが、銀行が一斉に新カードへの切り替えを実施し、その際に身分確認を徹底するというものです。これによって古い通名で作られた休眠口座や不正口座を炙り出し、北朝鮮などからの秘密送金も遮断できる可能性があるとのことです。
通名制度は歴史的な経緯のある複雑な問題です。在日の方の中にも、こうした悪用に対して「真面目にやっている自分たちが迷惑する」と感じている人は多いはず。制度をクリアにすることは、実は双方にとってプラスになるんじゃないかと思います。











