Skip to content

まずは「知る事」から始まる

Menu

新型コロナウイルスのワクチン接種が始まってから約4年。多くの人が接種を終え、日常を取り戻しつつある今、ワクチンをめぐる新たな議論が静かに広がっている。名古屋大学名誉教授の小島勢二氏が注目を集めているのは、厚生労働省の予防接種健康被害救済制度で2024年9月時点までに777名がワクチン接種後の死亡として認定されているという事実だ。

350億円規模の補償金、その意味するもの

予防接種健康被害救済制度では、接種との因果関係が否定できない死亡事例に対し、遺族に死亡一時金約4530万円と葬祭料が支給される。単純計算すると、777件の認定で約350億円規模の補償が行われていることになる。これは決して小さな数字ではない。

小島氏は小児科医として長年、小児がんや難治性血液疾患の治療に携わってきた人物だ。名古屋大学で小児科教授を務め、次世代シークエンサーによる遺伝子診断などの先端医療に取り組んできた。そんな専門家が、ワクチンを打つとその後必ず感染の拡大が起こること、海外では接種を止めたのに日本だけが熱心に接種を続けていることに疑問を抱いたという。

申請のハードルと「評価不能」の壁

しかし、この777件という数字を巡っては、大きな議論がある。実は、副反応疑い報告制度のもとで報告された死亡例について、厚生労働省の審議会では99%を情報不足等による評価不能としているのだ。

救済制度を利用するには、遺族自らが診療録など多くの資料を収集し、自治体に申請する必要がある。医学的な因果関係の証明は極めて困難で、多くのケースが「情報不足により評価できない」とされてしまう。武見厚労大臣は会見で、突然死を含む症例について「いずれも情報不足等によって因果関係が評価されていない」と述べ、「現時点では重大な懸念は認められない」との見解を示している。

小島氏の主張はここに疑問を投げかける。認定された777件は、高いハードルを越えて申請し、審査を通過したケースに過ぎない。実際にワクチンと関連がある可能性のある死亡例は、もっと多いのではないか、というのだ。

「10倍死んでいる」という衝撃的な指摘

さらに小島氏は独自の分析として、情報開示請求により入手した浜松市のデータを解析し、ワクチンを打った人の方が未接種者より死亡率が高いことを指摘している。これが事実であれば、ワクチン政策の根幹を揺るがす問題だ。

ただし、こうした主張には慎重な検証が必要だという指摘もある。名古屋市立大学の鈴木貞夫教授は、小島氏が過去にアゴラに掲載した記事のデータに数値の不一致があったことを指摘し、記事は後に削除されている。データの解釈や統計手法をめぐっては、専門家の間でも意見が分かれているのが現状だ。

透明性と検証可能性が問われている

2025年4月までの統計では、健康被害の認定総数は9031件に達し、うち死亡事例は998件となった。この数字は、予防接種健康被害救済制度が1977年に開始して以来2021年までの44年間で認定された累計3522件、死亡認定151人を大きく上回っている。

問題の核心は、データの透明性と検証可能性にある。2023年9月からは詳細なデータが公開されなくなったとされ、研究者や国民が独自に検証することが難しくなっている。厚労省が自治体に件数の情報公開を差し控えるよう通知を出していたという報道もあり、情報開示のあり方が問われている。

私たちはどう向き合うべきか

ワクチンは感染症対策の重要なツールであり、多くの命を救ってきたことは事実だ。しかし同時に、どんなワクチンにもリスクはゼロではない。大切なのは、リスクとベネフィットを正確に評価し、国民が十分な情報に基づいて判断できる環境を整えることだ。

小島氏の指摘が正しいのか、それとも過度な警鐘なのか。その答えを出すには、より透明性の高いデータ開示と、独立した専門家による検証が不可欠だろう。777件という数字が「氷山の一角」なのかどうか―それを判断するのは、私たち一人ひとりだ。

ワクチン接種後に何らかの健康被害が生じた場合、健康被害を受けた本人や家族が、予防接種を受けた時に住民票を登録していた市町村に請求を行うことができる。この制度の存在を知っておくことも、大切な知識の一つかもしれない。


注記: この記事は公開情報に基づいて作成されたものであり、ワクチン接種の是非について特定の立場を推奨するものではありません。ワクチン接種に関する判断は、かかりつけ医などの専門家に相談の上、個々の健康状態や状況に応じて行ってください。

大和京子

子供を守るために日本をよくしたいと願う母です! 1人でも多くの人達に思いが届きますように。